例年以上に開花の早かった今年の桜🌸4月になったばかりなのに、もう名残の桜です🌸
季節に急かされるようですが、毎年4月5日頃といえば、旧暦の24節気の一つである『清明節』。
中国では、先祖のお墓参りをして、野外での行楽をするのが習慣というように、「天地は明るく、空気は清らか」(清明)な季節ですね。
中国茶に親しんでいると、清明節は気になる❗
そう「明前茶」✨
清明前(3月下旬〜4月上旬)に摘まれた貴重なお茶🍃のことで、浙江省の杭州や安吉といった緑茶の産地から、新茶が届けられます。
最近では、開花の早い桜🌸も然りで、お茶の収穫時期も早くなるばかりとか。
春分前に収穫がはじまる産地もあるほどで、気候も品種も、お茶の定説も変わってきているのが現状のようです。
とはいえ、気分は春らんまん。
この季節がテーマの中国映画で思い出すのが『春の惑い』(2002年)。
田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)監督が、名作として知られた『小城之春』(48年/フェイムー監督作品)をリメイクした作品です。
この映画の背景は、1946年の蘇州。
日中戦争が終わり、数年後の中華人民共和国の成立を待つ時代です。
物語といえば、蘇州の旧家に嫁いだヒロインは、長患いで鬱々とした気難しい夫との間で、いまひとつ打ち解けない生活を送っています。
そんな夫婦の前に、夫の親友として現れた男性が、実はかつての恋人というメロドラマ。
蘇州って、上海から西へ車で1時間ほどの距離。
中国でも3番目に大きい太湖を抱えた水郷地であり、明・清時代の面影を残す村もありという観光地。
刺繍や絹織物に加えて、『碧螺春(へきらしゅん)』という緑茶が有名です。
碧螺春は、太湖に浮かぶ島(洞庭山)が産地で、たくさんの産毛、くるくるした螺旋の形が特徴的な中国十大銘茶の一つ。
「色が緑で形が螺旋で香が馥郁としている」という意味の「碧螺春」。
その命名は、清の康熙帝ということですから、エピソードとしては申し分なしです👍
『春の惑い』では、ヒロインが窓辺で刺繍をし、気晴らしにと舟遊びに興じ、鬱々気分の夫の手の中には紫砂の茶壺(急須)と、蘇州カラー🧡が満載。
妻と親友との関係に気づき、自分の体調や夫婦の関係に憂い、妻の揺れる気持ちも思いやる……そんなこんなで悩みの尽きない夫の手の中のマイ茶壺。
あの茶壺の中のお茶は、やっぱり碧螺春かなぁ🍃
当時の映画のチラシを見ていると、前売り券を買うと「蘇州・美人伝説のお茶『碧螺春』をプレゼント」とありました。
んーーーー、蘇州美人は罪深いぞ❗
明前茶とはいわないまでも、確か碧螺春があったはず👍と、お茶のストックを探したら、碧螺春ではなく安吉白茶だったというガッカリな春の惑い💦